グロースの時代

大勢を集中する

グロースハックの時代(森岡康一氏著)
本の内容の話。


 大学卒業後に人材サービス会社のインテリジェンス、
 その2年後にヤフージャパンに入社した森岡康一氏は、
 ヤフーとリクルートとのジョイントベンチャーである
 インディバルの設立に参加。

 同社の企画部長だった児玉太郎氏が、当時日本に
 事務所がなかったFacebookに声をかけられ、
 Facebookの日本事務所を立ち上げることになり、
 森岡氏も入社して二人でFacebook Japanを形作った。

 当時はまだ日本でアクティブ利用者数が100万人にも
 満たなかったFacebook Japanを、二人で4年間で
 2,000万人規模のサービスにまで成長させた。


 Facebook Japanの前副代表である森岡康一氏は、
 グロースを考える上で最も重要なポイントは
 今何をやるのが一番効果的なのかを見つけ出し、
 その一点にフォーカスすることである、と述べる。

 グロースを考える際には、「何をやるべきか」
 「何をやらないべきか」を決めることこそが
 最重要課題となる。

 やりたいことがいっぱいある中で優先順位をつけるのは
 難しい作業ですが、一番大きな効果があげられる一点を
 絞り込み、全てのスタッフをそこにフォーカスさせる。

 普通は「優先順位をつけて、一番上のほうから数個の仕事を
 並行して進める」かもしれないが、実はそうではない。

 一番上の一点に絞って、他のことには一切手を出さない。

 グロースハックにとって最も大切なのは
 その徹底だとも言える。


 Facebookでは週に1回、本社の上司とスカイプで
 進捗確認をしていたが、ひとつのことにフォーカスしきれず
 二つや三つのことに手を出しているのを知られると、
 ひどく叱られた。

 「おまえの今のミッションは何なんだ?」

 「それが分かっているなら、どうして他のことをするんだ。
  一つのミッションだけを遂行していろ!」

 というわけである。

 最初のうちは、日本での人間関係もあるし、
 一つ以外のことをまったくやらないわけには
 いかないと思っていた。

 しかし、グロースを考える上では、
 そうした部分を気にしていて数字を伸ばせずにいたならば、
 人との関係性がうまくいっていたとしても、
 何も生み出すことができないから、
 発想を変えなければならない。


 一つのサービスやビジネスをグロースさせたいと考えた時、
 こういうふうにプロモーションをしたい、
 こういう機能を付加したいというように、
 20個、30個といった複数の案が浮上してくるのが普通だ。

 その時、それらに優先順位をつけていき、
 とにかくまず一番目だけをやる。

 それが終えられたなら、二番目だったものが一番目になり、
 今度はそれをやる。

 そういう潰し方をチーム全体でしていく。

 誰かは一番目のことをやって、
 誰かがは二番目のことをやるというふうにするのではなく、
 とにかく全員でまず一番目をやり抜く。

 それが徹底できるかどうかがポイントである。


 複数のことを同時にやってしまうと、
 どの作業によって数字が上がり、
 どの作業によって数字が下がったかが分からなくなる。

 そうすると、その複数の改良点について、
 すべてに変更を加えられなくなり、次の手を打てなくなる。
 
 それに対して、一つ一つ変えていく場合、
 それぞれの施策が正解なのか間違いなのかがはっきりし、
 確信を持ちながら次の施策を進めていける。

 あれもこれもとやっていくよりは、
 フォーカスをはっきりさせるやり方をしたほうが
 はるかに効率的である、
 とFacebook Japan前副代表の森岡康一氏は述べている。
成長初期に取り組むべき事項や持つべき意識が分かります。


▼出典は、昨日も紹介したこの本です。
 Facebook Japanのグロースに携わった森岡氏の著作。



 いくつもの仕事を並行してやっていると、
 「こんなにもたくさんの仕事が一気に進んでいる」
 と錯覚をしてしまいがちですが、
 実際には言うほど進んでおらず、非常に非効率です。

 1つのことに集中して一気に片付けてから、
 次のものへの集中に取り掛かる。

 兵法で言う、各個撃破です。

 1軍隊ずつ別々に行動していくと、
 単独の強さ以上にはなりませんが、
 全ての軍隊を1ヶ所で動かせば数の勢いが生まれます。

 大勢をわざわざ小分けにするのは、
 それだけ連絡や輸送が大変になってくるから非効率です。

 そのような兵法の論理と同じことで、
 仕事も最重要なことに全力をぶつけるべきなのです。

 上司が部下にいくつも並行して物事をやらせない、
 ということはもちろん、
 ついいろんなことを並行してしまいがちな部下を
 「とにかくこれに集中して、これを終わらせよう」
 と指示しなければなりません。

 自社にはそのような戦力集中のルールがあるでしょうか。

halcyonoize01
  • halcyonoize01

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